和裁教室:着物のお直し
2015.11.02|Category : 和裁
和裁教室に通われる方で、きっかけをお聞きすると
「母親が着ていた着物を自分サイズに直したい」
「家に古い着物がたくさんある、うまく利用してまた着たい」
「着付けは出来るので、家にある着られる着物を増やしたい」
などのご意見がありました。
特にサイズ変更はよくあるご意見で、これらは「寸法直し」となります。
よく聞く「仕立て直し」は着物を全てほどいて縫い直すことなので
まったく違うものに作り替えることができます。例/着物を羽織に仕立て直す
そこで今日は着物の「寸法直し」をチェック!
難しそう…と思いますが、教室で実際にされていたものを少しご紹介。
こちらは袖の幅を広くしたい…ということで、袖付けの縫いしろを出しました。
もとは8寸3分(約31.6cm)の幅が、9寸(約34.2cm)に広くなりました。
上の袖より高度な、丈を長くするお直し。
前側は修正せず、後側の帯で隠れる位置に「足し布」をし、長さを調節しました。
さらに、襟部分は下に隠れていた襟を表に出し、汚れがあった上前は下前部分と交換しました。
普通の着物は裏表があるのですが、こちらの着物は「大島紬」。
染めや織りにより裏表が使える大島紬だからこそできる直しです。
洋服では出来ない着物の直しに「奥が深いな」と直した生徒さん自身が感心したそうです。
他にもいろいろな直し方法があり、また着る人の条件にも合わせた直し方法を
考えないといけませんが、新しく着物を仕立てる楽しさと、着られなかった着物を
着られるようになる別の楽しさも味わえる「お直し」。
タンスに眠っている、着られないけど大切な着物…
和裁教室で「直し」をして、蘇らせてみませんか